第36話  「ブラックバス放流」の余波   平成15年9月17日


わが庄内の黒鯛釣りのもっともポピュラーな餌の一つは、川エビである。ところがある時期からエビを飼っている沼にブラックバスの稚魚を放流する輩が出てきた。かなり昔から内陸の方ではブラックバスが放流されてワカサギ、ヘラブナが居なくなったという話は聞いていたが、海釣の好きな庄内には出て来ないだろうと思っていた。

スポーツフィッシングとか称し、他人のエビやワカサギ、ヘラブナを飼っている沼にブラックバスを放す者が出てきた。何がスポーツフィッシングだ!!自分で沼を買い取って放流するのなら分かるが、他人の沼に、自分の趣味のために困ることを平気でブラックバスを放すなんて釣をする資格はない。正に典型的な自己虫である。庄内のほとんどの沼には持ち主、権利者が居てその沼を管理している。大きな沼には漁業組合があり魚を放流している。庄内で盛んにバスを放流された事があった。犯人を捜したところその中に学校の先生が居たという事をある釣餌屋さんに聞いた。先生は人に善悪を教える立場の人間で在る。その年を含め2年ほど大部分の餌屋さんの店頭からエビが姿を消した。お蔭で鶴岡市内のエビを扱う餌屋さんは数軒姿を消してしまった。お蔭で釣人はたまにではあったが他の地方から仕入れして来た高いエビを買わされた。酒田市内の釣具屋さんでは放した人物が分かったものについてだけでも裁判も考えたという。

生命力の強い外来種のブラックバスは、沼を管理する漁業組合が沼干しを数回やったが、未だに残っていたと云う。以前の鶴岡地区の餌屋さんでは春先からエビが売られていたが、昨今ではめっきり少なくなってしまい、酒田と同じ8月のお盆の頃から売られている。需要と供給の関係で値段が上がって仕舞いエビ撒き釣りなどはまったく出来ない高級餌となってしまった。